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理念・ミッション

理念・ミッション

最期まで自分らしく生きるを増やす 最期まで自分らしく生きるを増やす

お客様が高麓の各サービスを利用され、心地よく暮らしていただくために、一番大切にしているのは「“最期まで自分らしく生きる”を増やす」というキーワードです。
認知症になっても、お身体が不自由になっても、「自分らしくある」、「やりたいことを諦めない」、「楽しみを見つけていく」。
介護の「力」で最期までその人らしく「生きる力」をつけ、幸せを追求することをサポートしていくことが私たち高麓の役割です。

経 営 理 念

この施設は、人は生を受け成長し、多年にわたる社会への貢献・地域を支え、国を支えて、やがて一生のうちの高齢期に至ることに鑑み、この人達に何をもって報いるかを考え、この施設を利用するすべての人々の幸せを考えて奉仕と博愛の精神をモットーに経営にあたることを本分とする。

運 営 訓

一、利用者のため、利用者の側に立った施設であること

一、人に優しく、笑顔のたえない快適施設であること

一、高齢者には、いたわりと尊敬の念を持って接すること

一、自助努力を怠らず、常に前進を心掛けること

一、人とのふれあいを大切に、安心してやすらぎを持って暮らせる施設とすること

高麓のミッション
“最期まで自分らしく
生きる”を増やす

それは「最期まで自分らしく生きる」ことを支援していくこと、介護が必要になっても「生かされる」ではなく「生きる」を支えることです。

認知症になったから、体が思うように動かなくなったから、だれかの手を借りなければ暮らしていく事が難しくなったから、だから諦めなければいけない・・・わがままを言ってはいけない・・・?
そんな事はありません。
孫の名前を思い出せなくても、今いる場所がわからなくなっても、体が思うように動かなくても、本当は誰もが最期まで自分らしく生きたいと思っています。
そして私たちは、全ての人に最期まで自分らしく生きて頂きたいと考えています。

自分らしく生きる 介護エピソード

片道3時間の墓参り

「山梨出身でお墓が向こうにある。死ぬまでにもう一度いきたいけど無理だよね」 高麓に入所されて間もない84歳のお客様がおっしゃいました。

その方は自宅に居た頃から体を思うように動かすことができず、痛みの為に10分と座っている事が出来ませんでした。

山梨のお墓までは、片道3時間はかかりそうです。

認知症になったから、体が思うように動かなくなったから、だれかの手を借りなければ暮らしていく事が難しくなったから、だから、諦めなければいけない・・・わがままを言ってはいけない・・・?

そんな事はありません。
孫の名前を思い出せなくても、今いる場所がわからなくなっても、体が思うように動かなくても、本当は誰もが最期まで自分らしく生きたいと思っています。
そして私たちは、全ての人に最期まで自分らしく生きて頂きたいと考えています。

「なんとしても墓参りの夢を叶えたい」
まずは10分しか起きられなかった時間をスタッフがお手伝いしながら伸ばしていきました。
15分、30分、1時間、2時間、3時間と起きていられる時間は少しずつ増えていきました。
そして、お墓までの道のりを調べ、ご家族の理解と協力を得ながら思い出のお墓参りの計画を立てていきました。

半年後、そのお客様は山梨のお墓の前で手を合わせていました。その傍らで高麓のスタッフも静かに手を合わせました。

わたしたち高麓のミッションは、全ての人が最期の瞬間まで「自分らしく生きる」そんな社会の実現の為、価値ある介護サービスを創造していくことです。
そして高麓に関わる全ての人の幸せに貢献していきます。

生きがいの夕刊配達

「入居したら何もできない?」いいえ、そんなことはありません。
私たちが提供させていただくケアやレクリエーション等のお客様にとって「受ける」ものが全てではなく、
お客様が自発的に取り組まれ、その中で生きがいを強く感じていらっしゃる方もいます。

そんなお客様のの生きがい・楽しみの一つが「新聞配達」でした。
施設に届く夕刊をご自身が住まわれるフロアに配布していただくものです。
元々宿直職員が配布していたものですが、その様子をみて「私がやるよ」と言ってくださったのがきっかけです。
「手伝おうか?」「いつもありがとうね、私にできることあればなんでもやるよ」
「車椅子だから座ってできることになっちゃうけど…。」
私たち職員が業務をしているといつも声をかけてくださるお客様がいました。

「車椅子でもできる家事」として、日頃からも洗濯ものたたみやテーブル拭きなどの軽作業をお手伝いしてもらっています。
職員が御礼を言うと「いいんだよ。いつもよくしてもらっているから」「やりたくてやっているんだから」と言ってくださいます。

配達時間が近づくと「じゃあ行ってくるねー」とご自分から受取場所のエレベーター前にご移動。
愛用の「新聞配達屋さん帽子」も着用。
「これ被ってお仕事しなきゃね!」とはつらつとされます。

待ち時間の間、夕日が落ちていく景色、
天気によって見え隠れする富士山や日々様子が変わっていく高草山等を眺めていらしゃいます。
通りすぎる介護職員や看護職員等と談笑することも。

「夕刊でーす」の掛け声とともに、新聞が届いたことが皆さんにもわかるようベルを鳴らしていただいてます。
ベルの音はフロア中までしっかり届く為、音が聞こえると毎回職員たち「新聞が届いた!」とほっこりした気持ちをいただけます。

一仕事を終えたお客様は達成感に満ち溢れた表情で夕ご飯につかれます。
きっとご飯も美味しいのでしょう。

このような一連の流れは、介護職だけではなく、看護職員・相談員・栄養士等多職種で連携し、その方の安全性やリスク面等の確認をしたうえで、その方の「自分らしい生き方」を増やすことに繋がることとして実施しています。
高麓ではこのようにお客様の生きがいに繋がる機会を増やすケアも行い、「”最後まで自分らしく生きる”を増やす」を実践します。

お客様のニーズを叶える「ちょっくら便」

「この店のこのケーキが欲しいんだけど、なかなか買いに行けないだよ。」
「チラシで見たこれ、ちょうど欲しいと思ってただよ〜。」
欲しいものがあるのにすぐには買いに行けない…。
そんなお客様のニーズを叶える企画として、職員がお客様の代行として買ってお届けする「ちょっくら便」
お客様の声を日頃から介護職が聞き、食べ物や文房具、日用品等毎月異なるメニュー表を作成し、お客様はメニュー表から欲しいものを注文します。
「選べる」こと「自分で選択すること」ミッションである「最期まで自分らしく生きる」に繋がる活動です。
「ちょっくら」とは静岡の方言。

雰囲気作りを大事にしている高麓では、代行人が制服を着用したり、受領書にサインをもらったりと、
本物の代行サービスのように振舞い、お客様に商品をお届け。
届いたものを楽しみに待ちわびるお客様。お目当ての商品が届いた際の笑顔は格別です。

施設に入っても自分が欲しいものを望む。
「望む暮らし」の実現に近づける。
職員が代行してお届けすることにより、お客様の「自分らしく生きる」に繋げていきます。

靴は黒がいい!

ある日のこと。
M様との会話の中で「靴ボロボロになってきたから買いたいねぇ。」と呟かれました。
職員が確認してみると確かに、その靴は使い古されてきていました。
その時、普段からお洒落なM様の ”綺麗な靴を履きたい” という想いを叶えたいと職員は想いました。

待ちに待った当日。
「私の足は23cm!」「お金も持ったし、忘れ物ないよね。」「良いのあるといいなぁ」
と、ワクワクしながら出発。
到着して、店内の靴の並びに「いっぱいあるね!」と終始驚かれているM様の表情は新鮮でした。
「布っぽいのが良いな。踵もしっかりしてるやつあるかな。」と、条件に合う靴を一緒に探し
時折「色んな色のがあるだね!」と、紫や赤色の靴なども試着し、買い物を楽しみました。

「この靴がいいかなぁ。」と迷われている時、店員さんが靴の仕様や違いを説明しに来て下さいました。
M様が色に迷われているのを汲み取って下さり、同じ靴の色違いを7色並べてくださり、
「この中から、この色は”ちょっと…”というのがあれば外していくので、残った色から選んでみるのはどうですか?」
と提案を下さいました。

「ありがとう!そうさせてもらおうかな。」と、M様も好みを挙げながら候補を絞っていき、
「これにしようかな!ぴったり!」と購入する靴が決まりました!
店員さんの素晴らしい接客のおかげで、楽しく買い物が出来ました。
悩みに悩んで選んだのは… 黒い靴!
普段、色はグリーンが大好きとのことですが、「黒のほうが汚れが目立たないから、靴は絶対黒なの!」と理由で選ばれました。

自分で選び、購入した靴を履く嬉しさ、店員さんと交流できたことで社会との繋がりを感じることができたのではないでしょうか。
外出を楽しめたことで、「次はどんな楽しみが待っているだろう?」「次はこんなところも行ってみたいな!」と楽しみをもつ意欲にも繋がることを職員自身も感じさせていただきました。

靴屋までの道中
「車椅子の私が行ってもいいの!?邪魔じゃない?」「悪いねぇあんた、ごめんね。」
と、車でのおでかけに遠慮をみせていましたが、帰る頃には…

「楽しかったねぇ。あーいっぱいしゃべったよ!」

と、行きと違い言葉が明るく、楽しそうに帰って来られました。

どのお客様も、買いたいもの・行きたい場所など、何気ない会話の中でポロっとこぼれることがあります。
その何気ない言葉を拾って企画に繋げていくことが私たちの一つの「介護」でもあります。

毎月の一時帰宅

M様にとって毎月楽しみにしている時間があります。
それは「ご自宅に帰ること」。

「自分の家へ帰る」「家族に会う」「お父さんに会う」という、
毎月の楽しみと目標を持って生き生きとハリを持って生活して頂けるように、
ご家族のご希望でもある「ご自宅へ帰る」という時間をM様と一緒に毎月組み立てました。

M様に限らず、ご要望や受け入れ態勢、ご本人の状態等様々な要件を整え、
入念に打ち合わせをして行うことが多く、滞在時間も長くはできないことも多いです。

しかし、M様にとってお仏壇の手入れ等は、自宅に居る頃から毎日欠かさなかった習慣。
習慣は、その方の人生や人柄を物語るもの。M様のご家族様想いな心、毎日を大切にする心を感じました。

個人ごとに大事にされている習慣は一人ひとり違います。
ミッションである「最期まで自分らしく生きる人を増やす」のために、
ご家族を含め、ニーズを伺い、「望む暮らし」をできる限り実現していきます。

餃子作りで「できない」を「できた」に

ある日のこと。
O様と広告をパラパラと見ていた時に、餃子の広告があり「食べたいね〜。」と話しました。
召し上がっていただきたいと思い、職員が買ってきて焼きましょうか?それとも一緒に買いに行きましょうか?と相談していると
「だけどね、…。」
O様は片麻痺があり、「私は片手だけが使えないから、(作るのは)できないよ。」と仰いました。
「でもね、昔は作ったことあるよ。今は簡単に包める道具があるのよね」と100均に売っている調理グッズを教えていただき、
それなら、頑張ってもう一度餃子をみんなで作ろう!ということになりました。

O様は餃子を包むところから参加。
簡単に餃子を包める容器を使い、職員がサポートを少しすることで、餃子作りに参加することができました。

肉を入れすぎては、皮からはみ出してしまって大笑い。
だんだん綺麗に包めるようになり、「上手くなってきた!」と笑顔を見せてくださいました。

最初は「私はこんな体だからできないよ…。」と仰っていましたが、

「楽しかった!こんなに笑ったの久しぶりだよ。
 またやろう!次はホットケーキを作ろう!」

と前向きな言葉も職員に伝えてくださり、企画して良かったと喜びを感じました。

この日のお昼ご飯は、主食にラーメン。一緒に、作った餃子も召し上がら、中華dayに。
ご自身で作った餃子を一口頬張り、「おいしいね!」と満足な様子でした。

「自分にはできない」と後ろ向きな気持ちから「自分でもできることがある!」と前向きな気持ちに変わっていただくことができました。
今日これができたから、次はあれをやりたい!これもやってみようかな。
と、日々の暮らしの楽しみや生きがいに繋がげていくのも高麓の介護の一つです。

一緒ならできる。挑戦する気持ちを大切にする。

高麓の入居サービスでは、お客様の日々の暮らしが豊かになるように「自分らしさ」を大切に介護させていただいています。

「興味のあること」「新たなチャレンジ」を手助け、実現することも高麓の介護です。
高麓への入居を機に、ご家族からスマートフォンをプレゼントされたO様。

ガラケーは使っていたけど、初めてのスマホ・・・。
触れることもためらっていました。
初めてのことは不安や心配が伴うもの。
どうしたら、わからないものへの不安を拭えるだろう?
そこで、介護職員が思いついたアイデアは…「オリジナル手順書」
手書きのマニュアルを職員が作成。読みやすいよう温かみあるデザインに。

使い方を職員がマニュアルに沿ってお伝えし、何度も練習。
通話に初・挑・戦する日は「大切なご家族様の誕生日」。
職員も傍で寄り添いながら、初めての挑戦に共に立ち会いました。
「誕生日、おめでとう。」

電話をかけ、ご家族の誕生日当日にお祝いの言葉を、自らの声で伝えることができました。
1人では難しいことも職員のサポートがあれば実現できることを実感する機会となりました。
このような経験を通し、お客様の興味のあることや関心のあることに次々とチャレンジしてみたいという気持ちが生まれるよう
真心込めた介護をさせていただき、お客様、ご家族様が安心して行き来暮らせるよう努めていきます。