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2/15 デイサービス 活動紹介シリーズ~ 刺し子編 ~

こんにちは!高麓デイサービスです。
ここでは、ご自宅で自分らしく暮らし続けていただけるよう、機能訓練を目的としたさまざまな活動を行っています。
その活動の数は、なんと200種類!! ドドン!

その1つ1つに、機能訓練としてそれぞれ目的や効果、職員が込めた想いがあります。
今回は200種類ある活動の中から、『刺し子』の活動をご紹介します。

【刺し子】布に針を刺して模様や補強をする日本の伝統手芸

高麓デイサービスでの刺し子の活動は、開所当時から約20年間ずっと行われてきました。
どんな活動かというと...
①職員が、"さらし"を正方形サイズに切り、季節感ある絵やデザインを下書きをする
②お客様は、その絵に合う糸の色、自分らしい色を選ぶ
③お客様それぞれに思い思いの縫い方で縫いあげる

完成したものは、「おしゃれ布巾」や「タペストリー」「テーブルクロス」としてもお使いいただける逸品となります。

刺し子を行われるのは、裁縫が得意な方や、昔は得意だったが最近はあまりやらなくなった方、手先が不自由になりリハビリを目的にされている方。
刺し子の活動が始まってから20年程経ちますが、お客様の”やりたい”想いと、デイサービス職員の”支えたい”想いが脈々と続いてきた活動です。

この活動の目的は、指先の細やかな機能訓練、集中力を高める訓練、制作活動を通して達成感を味わい、脳を刺激すること、季節のデザインに挑戦し季節感を感じること等さまざまです。
長く活動してきたからこそ、リハビリの先に皆の想いが連なり「やりがい」が生まれました。

刺し子の活動を通して得られた『やりがい』エピソードをここからご紹介します。

完成した刺し子の作品はどうするのかというと、ご自身で持ち帰って使用したり、デイサービスをご利用のお客様が機能訓練で稼いだ施設内通貨「ダラー」でお買い上げになったりもしています。

『誰かの為に行う』
この気持ちで取り組まれるお客様が多いことが高麓デイサービスの自慢であり、大切にしている想いです。

先日、草薙の県立美術館前駅から程近い日本料理店『和の食楽佐平』の女将Aさんから、
「デイサービスの皆さんが作った刺し子を、うちのお店で”ワイン トーション”に使いたい。」
と連絡を頂きました。
この女将Aさんは、以前、高麓デイサービスで働いていた方です。

今回このお話をいただき、『誰かの為に行う』という想いを大切にする高麓デイサービスにぴったりだと思いました。
また、お客様と社会との繋がりをより広げることにもなり、お客様の制作モチベーションが上がるのではと考え、この提案を引き受けさせていただきました。

『誰かの為に行う』ことは、やる気を引き出し、人との繋がりを作ります。
「自分らしく」取り組む機会の創出は、機能訓練の効果が増大すると高麓では考えています。

後日、これまでにお客様が制作した刺し子を用意し、Aさんに見て頂きました。
Aさんは、季節感のあるものやお店の雰囲気に合うものを選ばれました。

お食事を食べに来られた方が、高麓デイサービスのお客様が作った刺し子を目にするのだと想像すると、お客様にもこの感動と感謝を伝えたいとより一層感じました。

絵柄を準備する職員もオリジナルの絵柄を描いてみたり、パソコンでデザインを調べてみたりなど試行錯誤している日々ですが、
「このキャラクターの絵は孫が喜ぶかしら」
と、誰かを想って制作されているお客様の姿や完成した時の笑顔を見ると、とても心が温まり、刺し子の準備にも熱が入ります。

機能訓練を目的に日々活動を行ってはいますが、これからも『誰かの為に行う』というお客様のやる気を大切にしていきたいと思います。

寒い冬を乗り越え、新たな命芽吹く暖かな春を待ちながら、お客様は今日も意欲的に刺し子に取り組んでいます。
皆様が創る春の刺し子を心から楽しみにしています。