3/22 デイサービス 「漢の焼き鳥道場」
現在デイサービスをご利用の男性のお客様は「男子厨房へ入るべからず」と言われてきた時代を生きてこられた方々。
しかし、現在は一人暮らしをされていたり、奥様の介護等をされ、ご自身が料理をする環境にいる方も少なくありません。
また介護サービスを受けているとはいえ、まだまだご自分のことをご自分で行っていくことも必要です。
そのため、自ら食事を作り、料理を覚え、その「愉しさ」を味わっていただきたい、普段の活動とは一味違う趣を持たせたいという想いから企画しました。
その名も「漢の焼き鳥道場」
高麓のサービスは介護が必要な方もしっかりと「大人のサービス」として対応するため、本格志向がモットー。
施設中庭でバーベキュー感覚、炭火直焼きで行いました。
しかし、当日はこれまた男性に魅惑のWBC決勝戦が開催時刻と丸被り…!
「焼き鳥も食べたいけど、決勝は見逃せない…」「どちらにしようか…」と苦情の決断を迫られるお客様。
急遽中庭も閲覧用のPCを設置したものの、やっぱり臨場感ある大画面で見たいですよね…。
後ろ髪を引かれる思いでWBCの鑑賞に行かれる方も多くいました。
(これも自分らしく生きる選択です!(笑))
スーパーで買った串付肉をそのまま焼く?
いえいえ、「漢の焼き鳥道場」は大人の漢の本格志向の活動。
全てを参加者自身で担っていきます。
自家製つくねの仕込みも。元料理人のお力を借りながら玉ねぎのみじん切り。その後は食材と調味料を合わせコネコネコネコネ。
「こうやればいいのかな?」と他の方も習って皆で焼き鳥のネタを作っていきます。
さぁ準備は整いました。
焼き手と食べ手に分かれてLet’s焼き鳥タイム!
バーベキューや焼き肉等のいわゆる焼き物の時に普段料理しない方も積極的になるのは、漢の性(さが)なのでしょうか。
「つくねにタレを塗るハケはないの!?」、「炭をもっと広げて!」とのお客様の声に、職員があっちへこっちへと走り回ります。
ちょっと準備が足りない…。でも笑顔で楽しそうに取り組んでいる。
お客様が自ら考え、自ら積極的に行動されている。
これが「漢の焼き鳥道場」のいいところではないでしょうか。
絶対に美味しいとわかる香ばしく、濃厚な鶏肉の匂い。
甘辛いタレが「じゅわっ」と音を立て、炭火に滴り落ちながらも、コーティングされていく姿。
段々と醤油色に焦げ付く網目。
そして心地よい春の陽気に、コロナ禍で鬱屈されていた気持ちを晴らすかのような開放的なロケーション。
「これでビールでもあれば最高だな」という声も出るほど。
WBCに負けていない企画だったのではないでしょうか。
(皆PC画面を見ていましたが(笑) 優勝の報でさらに開放的に!)
煙に誘われて途中から参加される男性のお客様。
少し羨ましそうに眺められる女性のお客様。
今の世の中、ジェンダーレスが普通ではありますが、今日は漢の絆を深められましたね。
男性同士「こういうことをやってみたいな~」等の会話もあり、様々なことに取り組んで生きがいを見つけるていく一助となれたのではないでしょうか。
今後もお客様が楽しめる、本格志向の活動を行っていきたいと思います。